仕上げの段階で2穴(または4穴)加工が施されているカタログやパンフレットをよく見かけます。これはバインダーへファイリングして保管・使用するためのものですが、バインダーのとじ具のサイズなどは規格で定められていますので、穴あけ加工する際にはその規格に準じた位置にする必要があります。
書類の整理などに使用される一般的なファイルに合う穴あけ機の規格はJIS S 6041です。
この規格では穴は2つで、穴の直径は標準で6mm(±0.5mm)が一般的とされていますが、他のサイズの直径の穴あけも可能です。穴の位置は紙の近い方の端から穴の中心まで12mm(±1mm)とされていますが、10mmを基本にしている印刷業者もあります。2つの穴は紙の中心線をはさんで対称の位置にしなければなりません。また、2つの穴の距離は穴の中心から計って約80mm(±0.5mm)とされています。
他には4穴の規格も広く使われています。
4つの穴で綴じることで、ファイリングの安定性を高めることを目的としており、JIS S 6041規格の2穴の各々上下80mmの位置に穴をあけます。
と、色々と書きましたが、印刷物を作る際には印刷屋さんに「左(右)側に直径●mmのJIS 2穴(4穴)」と指定すれば、まず大丈夫でしょう。
この工程では思わぬ落とし穴に落ちることがあります。
デザイン段階で穴の位置を考慮せず制作を進めてしまい、いざ穴あけ加工の段階になってから、ページの端の方の文字や図に穴があいてしまうことが発覚するケースです。
穴あけ加工は印刷や製本を終えた後の最後の工程ですので、穴の位置の微調整で解決できない場合は工程を全てやり直すことになってしまいます。
穴あけ加工する印刷物は制作の段階からご注意を!